相続登記の登録免許税は、不動産を相続した際に所有権移転登記を行うために支払う必要のある税金です。相続登記における登録免許税は、不動産の評価額に基づいて計算されます。
相続登記における登録免許税の計算方法
相続登記を行う際の登録免許税は、市区町村で管理している不動産の評価額に基づいて課税されます。具体的には、不動産の固定資産評価額(固定資産税の課税台帳に記載されている金額、または固定資産評価証明書に記載されている金額)を基に、以下の税率が適用されます。
登録免許税の税率
相続の場合(相続による所有権移転登記)
- 登録免許税は、不動産の評価額の**0.4%**です。
- なお、不動産の固定資産評価額は1,000円未満、登録免許税は100円未満を切り捨てます。
例
もし相続した不動産の評価額(固定資産評価額)の合計額が12,345,678円の場合、登録免許税は次のように計算されます。
- 1,000円未満を切り捨て
12,345,678円 ⇒ 課税価格は12,345,000円
- 課税価格に登録免許税率をかける
12,345,000円×4/1000=49,380円
- 100円未満を切り捨て
49,380円 ⇒ 49,300円
よって、この場合の登録免許税は49,300円です。
登録免許税の支払い方法
1. 収入印紙による納付
- 一般的には、法務局の窓口で登記申請書に所定の金額の「収入印紙」を貼付して納付します。
- 収入印紙は、法務局や郵便局で購入可能です。
- 貼付する際は、登記申請書に直接貼るか、別紙に貼り付けて添付します。
2. 現金での納付
- 金融機関にて、登録免許税(国税)納付用の納付書に必要事項を記入し窓口で支払います。
- 法務局へは金融機関で交付された領収書を提出します。
3. 電子納付(オンライン申請の場合)
- オンライン登記申請を行う場合、インターネットバンキングやATMを利用して納付できます。
- 電子納付の手順は、オンライン登記システム(登記・供託オンライン申請システム)に従います。
- 登記申請の手続きが完了した後、納付状況を確認して納付が問題なく行われたかを確認する必要があります。
4. 代理人(司法書士等)による納付
- 代理人に登記申請を依頼した場合、代理人が登録免許税を立て替えて納付することもあります。
- 詳細は代理人との契約内容を確認してください。
注意点
- 収入印紙は法務局の窓口で貼り付けない限り、剥がして再利用することができません。貼る前に金額を確認してください。
- 電子納付の場合、利用可能な銀行や支払方法に制限があるため、事前に確認することを推奨します。
- 登録免許税の金額は、登記の種類や不動産の評価額などに応じて異なります。正確な金額を事前に確認しましょう。
軽減措置・特例
相続登記に関しては、軽減措置や特例が設けられている場合もあります。主なものには下記があります。
1. 数次相続
土地を相続をした人が相続登記をしないまま死亡したことで相続登記が二回必要になる場合には、一回目の相続の死亡した方に係る登録免許税が免税になります。免税を受けるには、登記申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載したうえで、免税後の登録免許税額を記載します。なお、二回目の相続登記の登録免許税は免除になりません。
2. 評価額が低い土地を相続した場合
土地の評価額(固定資産税評価額)100万円以下の土地を相続した場合にも、登録免許税が免税となります。この場合、登記申請書の登録免許税の欄には「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載します。