相続放棄証明書を取得することで解決できる場合があります!相続放棄をしているのに、故人の借金を返済するよう債権者から連絡が来てしまうことがあります。このような状況に直面したとき、どのように対処すればよいのでしょうか?この記事では、相続放棄をした人が債権者への対応で困らないよう、分かりやすく解説します。
相続放棄をすると、法律上、最初から相続人ではなかったとみなされ、故人の借金を返済する義務はなくなります。それにもかかわらず、債権者が相続放棄の事実を知らない場合に、債権者から直接連絡が来てしまうことがあります。落ち着いて対処できるように、備えておきましょう。
債権者から返済の要求があった場合、慌てずに以下の手順で対応しましょう。
まず、債権者に対して「自分は相続放棄をしているため、返済義務はない」ことを口頭または書面で説明します。この時点で解決する場合もありますが、証明が求められることもあります。
債権者が相続放棄の事実を確認したい場合には、家庭裁判所が発行する**「相続放棄申述受理証明書」**(以下、相続放棄証明書)が役立ちます。この証明書には、相続放棄が正式に認められたことが記載されています。
債権者にこの証明書を提示すれば、請求を止められるケースがほとんどです。
相続放棄証明書を提示しても、債権者からの対応を求められる場合があります。その場合は、以下のように対応しましょう。
相続放棄をした人は、次順位の相続人や相続財産清算人が確定するまで、必要最小限の財産管理責任を負います。そのことを根拠に債権者から返済を迫られる可能性がありますが、この財産管理責任は借金の返済義務を負うものではありません。
相続人全員が相続放棄をしている場合、家庭裁判所で相続財産清算人を選任する手続きを行う必要があります。清算人が選任されれば、債権者の対応は清算人が引き継ぐため、あなたの手を離れます。
相続放棄をしていても、以下の点に注意してください。
故人の遺産を一部でも使用した場合、既に受理された相続放棄が無効となることがあります。このため、遺産には手を触れないようにしましょう。