遺留分(いりゅうぶん)とは、相続人に最低限保障される相続財産の取り分を指します。被相続人(亡くなった方)が遺言書などで自由に財産を分配する場合でも、遺留分によって特定の相続人が不当に排除されないよう、法律で保護されています。この制度は、相続人の生活を守るために重要な役割を果たしています。
遺留分制度の目的は、相続人が生活の基盤を失わないよう最低限の財産を確保することです。たとえば、被相続人が全財産を特定の相続人や第三者に遺贈した場合、他の相続人の救済手段として機能します。この仕組みにより、相続人間の公平性が保たれることを目的としています。
遺留分を主張できるのは、以下の法定相続人のみです。
※ 兄弟姉妹には遺留分は認められていません。
遺留分は、相続人の構成によってその割合が異なります。以下のケースで具体的に見てみましょう。
配偶者と子どもがいる場合
配偶者のみの場合
父母のみの場合
子どものみの場合
2019年の法改正により、「遺留分減殺請求権」から「遺留分侵害額請求権」という名称に変更されました。この変更により、侵害された遺留分は金銭で請求することが基本ルールとなっています。
遺留分侵害額請求権には、以下のような時効が定められています。
これを過ぎると、請求する権利は失効しますので注意が必要です。