相続放棄申述受理通知書について

相続放棄申述受理通知書の意味、使い方

相続放棄の手続きが完了すると、家庭裁判所から「相続放棄申述受理通知書」が届きます。この通知書は、相続放棄が正式に受理されたことを証明する重要な書類です。また、似た名称の「相続放棄受理証明書」と混同されることが多いため、その違いについても解説します。本記事では、相続放棄申述受理通知書の意味、使い方、受理証明書との違いについて詳しく説明します。

相続放棄申述受理通知書とは

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申し立てを家庭裁判所が正式に受理したことを通知する文書です。この書類が届くことで、法的に相続放棄が成立したことが証明されます。

発行元

申述を行った家庭裁判所から発行されます。

内容

通知書には、申立人の氏名、被相続人の情報、相続放棄が受理された日付などが記載されています。

受け取るタイミング

相続放棄の審査が完了し、家庭裁判所が申立てを正式に認めた後に郵送されます。

相続放棄申述受理通知書の使い方

この通知書は、相続放棄が認められたことを証明する書類としてさまざまな場面で使用されます。

  1. 債権者への通知
    被相続人の負債を請求された場合、相続放棄をしたことを証明するために使用します。通知書を提示することで、債務を支払う義務がないことを証明できます。
  2. 他の相続人への連絡
    他の相続人に相続放棄の事実を伝える際の証明書としても利用されます。これにより、相続順位の変更が適切に行われます。
  3. 財産管理に関する手続き
    被相続人の財産を管理している機関(銀行や不動産会社など)に対して、相続放棄を通知する際にも使用されます。
  4. 将来的な証明のための保管
    万が一、後日トラブルが発生した場合に備え、大切に保管しておくことが推奨されます。

相続放棄受理証明書との違い

相続放棄申述受理通知書と相続放棄受理証明書は似た名称ですが、それぞれ異なる目的を持つ書類です。

項目 相続放棄申述受理通知書 相続放棄受理証明書
目的 相続放棄が受理された事実を通知するための書類 相続放棄が受理されたことを第三者に正式に証明する書類
発行のタイミング 相続放棄が受理された後、自動的に発行される 必要に応じて申請者が家庭裁判所に申請する必要がある
使用場面 主に本人の確認や簡易的な証明に使用 金融機関や不動産登記などの正式な場面で使用
発行費用 無料 有料(証明書1通につき150円程度)

相続放棄受理証明書が必要になる場面

相続放棄申述受理通知書では対応できない場面があるため、場合によっては相続放棄受理証明書の取得が必要です。

正式な手続きが必要な場合

例:不動産登記や銀行口座の解約手続きなど、法的効力を要する場合。
※実務上は通知書で事足りることが多いですが、場合によっては証明書を求められることがあります。

第三者機関への提出

通知書では証明力が不十分とみなされる場合があります。その場合、証明書の提出が求められます。

相続放棄受理証明書を取得したい場合は、家庭裁判所に申請し、所定の手数料を支払うことで発行を受けられます。

注意点

申述受理通知書を紛失しない

通知書の再発行は基本的にできません。紛失を防ぐために、安全な場所に保管してください。万が一紛失してしまった場合は、手数料を支払い証明書を発行してもらう必要があります。

受理証明書の申請は必要時に行う

受理証明書は有料のため、必要な場面が発生するまで取得しない方が合理的です。

  • まとめ
  • 相続放棄申述受理通知書は、相続放棄が正式に認められたことを通知する重要な書類です。主に簡易的な証明に使用されますが、より正式な手続きが必要な場合には相続放棄受理証明書を別途取得する必要があることがあります。どちらの書類も、相続放棄の手続きを円滑に進める上で欠かせないものです。