相続登記が完了した後

相続登記が完了した後は、次のような対応を行うことで、トラブルを防ぎ、必要な手続きを円滑に進められます。

登記完了書類の受領と確認

登記識別情報通知書(登記済権利証)

法務局から発行される登記識別情報通知書または権利証を受け取り、記載内容に誤りがないか確認します。また、本通知書は、従来の登記済権利証(いわゆる権利証)と同様の効力を果たす書類であるため、大切に保管します。

登記完了証

登記手続きが完了したことを証明する書類です。必要に応じて保管します。

登記簿謄本(登記事項証明書)の取得

法務局で登記事項証明書を取得し、相続内容や名義変更が正確に反映されているか確認します。

財産管理の準備

固定資産税の名義変更手続き

名義人変更後、自治体に連絡して納税通知書の送付先を変更します。これにより、固定資産税の納付漏れを防ぎます。

不動産の管理・運用計画

  • 相続した不動産を維持・管理するか、売却または賃貸するか検討します。
  • 共有名義の場合は、各共有者と管理方針を確認します。

金融機関や行政手続きとの連携

金融機関への連絡

  • 不動産担保ローンがある場合、名義変更を金融機関に通知します。
  • 遺産分割に関連する預金・貸金庫の手続きがまだの場合は進めます。

補助金や税控除の申請

  • 相続税の申告・納付が必要な場合、期限内(相続開始から10か月以内)に対応します。
  • 相続税軽減措置の適用を確認します(小規模宅地等の特例など)。

遺産分割に基づく追加手続き

共有状態の解消(必要に応じて)

  • 共有名義で登記された場合、後のトラブルを避けるため共有状態を解消することを検討します。
  • 遺産分割協議で売却や代償金支払いが決定している場合は、速やかに手続きを進めます。

遺留分侵害額請求への対応

  • 他の相続人から遺留分請求があった場合、話し合いや調停に備えます。

その他の手続き

名義変更が必要な関連手続き

不動産に付随する契約(火災保険、水道光熱費、管理費など)の名義変更を行います。

相続人間での連絡維持

共有名義の場合やその他の財産に関する遺産分割協議が長引いている場合は、定期的に連絡を取ります。

法律・税務の専門家への相談

トラブル回避のための相談

相続登記完了後も法務・税務の問題が発生することがあります。不安がある場合は、司法書士、税理士、弁護士に相談するのが有効です。

適切に対応することで、不動産の管理や税務面でのリスクを回避できます。