遺産承継の一環として、故人の預貯金口座を解約して現金を引き出す手続きは、相続人にとって重要な作業の一つです。自分で行う場合の手順と、司法書士に依頼するメリットを分かりやすく解説します。
預貯金の解約払い戻しを自分で行う場合、以下の手順に沿って進めます。
預貯金口座の解約のための必要書類は、相続の方法や金融機関ごとに若干異なるため、事前に確認をしておくとよいでしょう。
【例:遺言書が無く遺産分割協議書がある場合】
金融機関指定の書式があり、郵送か窓口で受け取ります。金融機関によって名称や書式が異なり、場合によっては相続人全員の署名と実印の捺印が必要となることがあります。
被相続人の一生を戸籍でたどることで、相続人を特定させる目的があります。
相続人が実在している(存命である)ことを確かめる目的があります。
銀行に預けてある資産を誰が受け取るか明確に記載されている必要があります。
取得から6ヶ月以内のもの(3カ月以内のものとする金融機関もあります)
解約手続きを行うためには、故人の預金口座の情報が必要です。遺品の中から見つからない場合は、手続きの際に喪失した旨を届け出る必要があります。
必要書類を準備したら、故人が利用していた銀行の窓口に行きます。郵送で手続きすることも可能です。尚、店頭窓口は予約優先となっていることが多いため、できるだけ来店予約をすることをお勧めします。銀行員に書類を提出し、解約手続きを開始します。
銀行の担当者が、預貯金の解約と払い戻し手続きを進めます。解約手続きには2週間程度時間がかかることがあるため、余裕を持って対応することが大切です。解約後、口座の残高を指定した方法で相続人が受け取ることができます。
預貯金の解約後、相続税が発生する場合があります。解約した金額に対して相続税の申告が必要となる場合があるので、税理士と相談して、税金の手続きも進める必要があります。
預貯金の解約手続きは、複数の必要書類を揃えて相続人全員で署名したり、必要に応じて窓口に出向く必要があるため、時間がかかる手続です。司法書士に依頼することのメリットは、次の通りです。
司法書士は相続に関する法律や手続きについて豊富な知識を持っています。預貯金の解約や払い戻しに必要な書類を正確に準備し、手続きをスムーズに進めることができます。
相続人の調査や戸籍の確認、相続届の記入など、手続きには多くの書類を準備する必要があります。司法書士が代行することで、書類作成の手間や不備を防ぐことができます。
預貯金の解約だけでなく、遺産分割協議書の作成や有価証券の名義変更など、相続に関する一連の手続きを司法書士がサポートします。これにより、相続人は複数の銀行や証券会社への手続きを一つ一つ行う必要がなくなります。
銀行への訪問や書類の準備など、相続人が行うべき手続きは非常に時間と労力がかかります。また、故人が複数の金融機関に口座を持っている場合は、同様の手続きを何度も繰り返す必要があります。司法書士に依頼することで、相続人は故人を悼むことに時間を使えるのではないでしょうか。
相続人間で意見が食い違った場合や、誤った手続きを踏んでしまった場合、トラブルに発展する場合があります。司法書士に依頼することで、手続き上の適切なアドバイスを受け、法的なリスクを回避することができます。